ずっと忘れられない表情

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2023.12.11

 

小学生5年生の時の話。

 

学校の中に給食室があるタイプの小学校で、週替わりの給食当番が配膳と食べ終わった後の食器などを給食室まで運んで戻すのが仕事だった。当時牛乳は瓶だったから空き瓶を戻した重たいコンテナを給食室まで運ぶのが一番のハズレくじ仕事だった。

 

ある日、お昼休みが終わる頃に男子4〜5人で走って教室まで戻っていたら星野さんという仲の良かった女の子が牛乳瓶を給食室までのたのたと運んでいるところに遭遇した。眼が合う。星野さんが「けんたくん、運ぶの手伝って〜」と声を掛けてきた。もちろん手伝おうと思ったんだけど周りの男友達が「なに女子にいいことしようとしてんだよ」とか「当番じゃないんだからさっさと行こうぜ」とか煽ってくる。

 

小学校中学校特有の文化「男子と女子」というやつ。ここで星野さんを手伝いでもした日には「アイツ女子手伝ったんだぜ」ってからかいを受けるかもしれない。今にして思えば「女子手伝ったんだぜ」のなにがいけないんだろうな。

 

あんまりそういうの気にしないフラットなポジションを取っていたのにその時の僕は変な羞恥に襲われてしまって俯いたままその場を通り過ぎてしまった。

 

あの時の星野さんの寂しそうな表情って今も鮮明に思い出せるんだ。どんどん視界から小さくなっていく立ち尽くしたままの星野さん。その日はずっと心がモヤモヤしていた。

 

そんな気持ちにもうなりたくなかったから、それからは人が何かしてたら率先して手伝うように心掛けている。なるべく人のことを優先してあげたい、それが大切にしている価値観。

 

ちなみに中学受験で有名私立に進学したのちに高校で再会した星野さんはめちゃくちゃギャルになっていた。僕のせいじゃないよ。たぶん。

 

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